2016.10.28
公園
祭壇のようだ。
高台にある住宅地の公園。彼はそこで発見された。
公園からは眼下に広がる住宅地、さらに電気が良い日には日本一の山、富士山も見えるらしい。
天気が良い日には近くに住む親子が休憩に使うであろう東屋には今は大勢の警官や鑑識官がいた。
「なんだってこんなところで死ぬのかね」
それは思わ口から出た疑問のようだった。
「自殺、でしょうか」
東屋に置かれたテーブルの上、仰向けにまるで寝ているような穏やかな顔だった。しかし決定的に違っている点、それは彼の胸には大きなナイフが刺さっていることだった。